認知特性とは
- 人の名前はすぐ覚えられるのに顔が覚えられない。
- 暗記は得意なのに、人の名前が覚えられない
- 歌の歌詞は覚えられるのに、リズムは苦手
- 暗記は苦手、でも道を覚えるのは得意
そのような経験はありませんか?
人は五感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)から外部の情報を読み取ります。
そして、80%以上の情報を視覚から吸収すると言われています。
しかし、誰もが同じ方法で情報を取り入れるわけではありません。
道は一発で覚えられる。でも暗記は苦手。
これって一体なんなんでしょうか。
「認知特性」による情報認識方法の違いです。
この記事ではこの、認知特性について詳しく解説していきます。
認知特性とは、「目で見る,耳で聞くなどの五感を中心とした感覚器から入ってきた様々な 情報を,脳の中で「整理」「記憶」「理解」する能力のことです」です。
同じことを聞いても、誰もが同じように理解し記憶するわけではありません。
人にはそれぞれ生まれ持った思考や認知の好みがあるのです。
認知特性はまず、大きく3つに分かれ、
3つの分類の中でも2つずつ別れて、計6つに分かれます。
視覚優位者
(1)写真(カメラアイ)タイプ:写真や絵など二次元で考える
(2)三次元映像タイプ:空間や時間軸を使い三次元で考える
言語優位者
(3)言語映像タイプ:文字や文章を映像化して考える
(4)言語抽象タイプ:文字や文章を図式化して考える
聴覚優位者
(5)聴覚言語タイプ:文字や文章を音として情報処理する
(6)聴覚&音タイプ:音色や音階など音楽的イメージを脳に入力する
ただし、認知特性は重なっているところもあり、
誰もが「絶対にこのタイプ!」と線引できるものではありません。
6つの資質をバランス良く使っている人もいれば、
1つに特化している人もいます。
また、このタイプは「どれがいい」という話ではありません。
どのタイプでも自分に合った方法で学べば大丈夫です。
あくまで「個性」です。
各特性において「子供の頃に〇〇だった方は〜」と解説されていますが、大人になると継続して行う仕事の内容などで、本来の資質とは関係なく「慣れ」ができあがります。
慣れと人間本来が持っている資質は違うので、子供の頃の感覚を思い出しながらイメージしてみてください。
見た情報を処理するのが得意な「視覚優位者」
子供の頃に絵を描くのが好きだった方は多くは以下の2タイプの特性を持っています。
1.写真(カメラアイ)タイプ
- 見たまま物や風景が描けるアーティスト系
- 写真家や画家、デザイナーに多い
このタイプの人は、頭の中にカメラを持っていて、何かを記憶するときはそのカメラのシャッターをきり、写真として一枚一枚頭の引き出しにしまっていきます。
記憶に関しては、膨大な量の写真アルバムを脳の中に持っています。 あなたは何も見ずにアニメのキャラクターの絵を描くことができますか?
自分の家の外観の絵を描くことができますか?
カメラアイタイプはそのようなことができるのが特徴です。
2.三次元映像(3D)タイプ
- どんな人の顔も見分けられるエキスパート
- 建築家やパイロット、外科医、機械技術職、テレビや映画の舞台製作者やテレビカメラマンなどに多い
同じ視覚優位者でも前述の写真タイプと異なるのは、空間と時間という軸が加わった点です。
このタイプは、人の顔を覚えることも得意です。なぜなら人の顔は立体的で、私たちは目、鼻、口の奥行きや角度を認識することで、他者の顔を覚えたり表情を読み取ったりしているからです。つまり、人の顔や表情の認識も三次元イメージによるものなのです。
「病院までどうやって来たか書いてください」という質問には、写真タイプと同じように文章ではなく図式や地図で書く子どもが多いのですが、信号の数やポスト、店の看板を立体的に書き加える子もいます。自分の見た風景を、順序よく時間を追うように説明できるのが特徴です。
3.読んだ情報を処理するのが得意な「言語優位者」
子供の頃に読書感想文を書き上げることが苦にならなかった方は、以下の2タイプの特性を持っていることが多いです。
言語映像(ファンタジー)タイプ
- イメージをすぐに言葉にできるファンタジスト
- コピーライターや絵本作家、雑誌の編集者、作詞家などに多い
本や小説を読むとその場面が容易に想像でき、文章よりは映像イメージとして記憶します。言語を映像化することも、逆に映像を言語化することも得意です。 視覚優位者が感覚的思考者とすれば、言語優位者は、イメージを言語に結びつけることから論理的思考者ともいえます。
たとえば、「オーシャンビューのホテル」や「胴体がライオンで尾が蛇の化け物」などを言われ、すぐに想像がつくタイプは、おそらく言語映像(ファンタジー)タイプの人でしょう。
4.言語抽象(辞書)タイプ
- わかりやすくノートをまとめる達人
- 内科系医師や作家、教師、金融関係者、心理学者に多い
このタイプは、わかりづらい文章を図式化することが得意です。たとえば歴史の本を読むとき、視覚優位者は当時の戦いの場面や城をイメージしやすいのに対し、言語抽象タイプは家系図や登場人物の相関図のほうが浮かびやすいのです。 また、言語映像タイプは言葉と映像を結びつけて情報を処理しますが、言語抽象タイプは言葉に文字や数字、図を系統立てて結びつけるのが得意です。
聞いた情報を処理するのが得意な「聴覚優位者」
子供の頃に音楽を聞くのが得意だったり、おしゃべりをするのが得意だったりした方は以下の2つの特性のどちらかを持っている場合が多いです。
5.聴覚言語(ラジオ)タイプ
- ダジャレ上手
- 弁護士や教師、落語家、アナウンサー、作詞家に多い
言語映像タイプや言語抽象タイプは「言葉を見る」のが得意なのに対し、聴覚言語タイプは「言葉を聞く」のが得意です。音声という聴覚情報のみで言語を脳内に取り入れられるのが大きな特徴です。視覚優位者が芸術、空間認知力に長けた右脳優位者とすれば、聴覚言語タイプはまさに言語をつかさどる左脳優位者といえます。 このタイプは、相手が話している音だけで内容を理解でき、イメージよりは言語そのもので思考を働かせることができます。 本の読み聞かせをしたときや劇や映画、ミュージカルを観たときに、セリフをそのまますぐに覚えられます。一度聞いたコマーシャルのフレーズや歌の歌詞を覚えるのも得意です。
6.聴覚&音(サウンド)タイプ
- 英語の発音も素晴らしい絶対音感タイプ
- 音楽家・作曲家・音響
聴覚言語タイプと同様に聴覚的な情報入力が得意ですが、異なる点は音階や音色といった言語的な意味を持たない情報も、イメージとして脳内で処理できるということです。 絶対音感(absolute pitch)とは、外的な基準音を参考にせずに任意の音の高さを判断できる、あるいは自らの声や楽器で任意の高さの音をつくり出せる能力のことで、音楽家の多くが持っている特別な能力といわれています。
CMソングや映画、劇で使われる音楽を一度聞いただけで、歌詞ではなくメロディのほうを覚え、口ずさむことができる人もこのタイプです。 また、このタイプの中には自分で聞いた(脳内に入力された)音を、自分の声として発声(出力)できる人もいて、知り合いの人の話し声、動物の鳴き声など聞いた音をそのまま再現できます。
いかがでしょうか?
どれが高そう、等はありましたか?
それぞれの勉強の仕方はまた別の記事に書かせていただければと思います。
もし、
どのタイプかわからない
もう少し詳しく聞いてみたい
などありましたら、ご連絡いただければ
ご相談に乗らせていただければと思います。